四国放送ラジオの冊子『ラジオ熟』
「黄斑前膜(おうはんぜんまく)」掲載記事紹介

2016年07月01日 更新

黄斑前膜とは

網膜の中で視力に重要な部分である黄斑にうすい膜が張って、見え方が悪くなる病気です。最近では、検査機器の進歩により早期から正確に診断できるようになっており、網膜の疾患では多く認められる疾患の一つとなっています。当院では治療対象となった網膜疾患として、この黄斑前膜が一番多く、治療を行った年齢は50歳以上の方がほとんどを占めています。

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黄斑前膜の原因と症状

眼球の内部は硝子体という透明なゼリー状の物質で満たされています。この硝子体は年齢とともに少しずつ液体に変化し体積が小さくなってきます。そのため60歳くらいになると硝子体が眼底の網膜から離れていきます。この網膜の上に残った硝子体に線維を作る細胞が増殖すると網膜の表面に線維性の膜が形成します。黄斑前膜が軽いうちは無症状ですが、進行するにつれて膜の収縮により網膜がむくんだり、しわができることで視力が悪くなったり、物が歪んで見えたりします。加齢に伴うものが多いですが、他の網膜の病気に伴って生じるものもあります。最近よく話題になる加齢黄斑変性とは違う病気ですし、治療方法も異なります。

治療は硝子体手術

黄斑前膜は点眼薬や内服薬で改善させることはできませんし、進行をとめることもできません。進行したら手術が必要になります。手術の時期は物がゆがんで見みえたり、文字がつぶれてみえたり、見え方に影響してくる頃が良いと思われます。視力の目安は0.7〜0.8くらいです。突然失明してしまうような病気ではありませんので緊急手術は必要ありません。硝子体手術はほとんどの場合、局所麻酔で行い、白目に3つの穴をあけて光で照らしながらカッターで硝子体を取り除きます。最後に黄斑の上にある薄い膜を除去して終了となります。最近では、膜をはがす手術方法が進歩しているため再発はほとんどありません。少しでも見え方の異常を感じましたら、早めの受診をおすすめします。