目の病気について

色覚異常

色覚異常は、特定の色に対する識別能が低下している状態です

正常者にとって色の差が大きく違って見える2つの色が、色覚異常者には色の違いが小さく感じられ、判別困難になることがあります。原因としては、色を感じる3つの細胞「赤錐体」「緑錐体」「青錐体」のどれかが欠けていたり、十分に機能していないことが考えられます。色覚異常は先天性と後天性に分けられ、先天性に対して有効な治療はありませんが、後天性は色覚異常になった原因を取り除けば改善することがあります。

色覚異常の分類

色覚異常の種類は、どの錐体が欠損・機能していないのか、またはすべて欠損しているのかで分けられます。この分類は、先天性色覚異常にのみ使われるもので、後天性色覚異常には使われません。

  赤錐体 緑錐体 青錐体 杆体
杆体一色型色覚(全色盲) × × ×
赤錐体1色型色覚 × ×
緑錐体1色型色覚 × ×
青錐体1色型色覚 × ×
2色型第1色覚(赤色盲) ×
2色型第2色覚(緑色盲) ×
2色型第3色覚(青色盲) ×
3色型第1色覚(赤色弱)
3色型第2色覚(緑色弱)
3色型第3色覚(青色弱)

● 機能している × 欠損している ▲ 不完全に機能している

色覚異常者が間違えやすい色の組み合わせ

  赤と緑
  青と紫
  オレンジと黄緑
  ピンクと白や灰色
  茶と緑
  緑と灰色や黒

色覚異常の例

・信号の色がわかりにくい(特に夜間の点滅信号)。
・「止まれ」などの赤い標識が目立ちにくく、視界に飛び込んでこない。
・紅葉を見ても、葉の色の違いがよくわからない。
・青と思って買ったシャツが実は紫だった。
・色分けしている地下鉄やバスの路線図の区別がつきにくい。

色覚異常が起こりやすいとき

・対象が小さいときや彩度が低い場合
・輪郭線や境界線がなく、色の違いのみで識別しなければならない場合
・照明が暗い場合
・短時間で判断しなければならないときや、疲れて判断力が低下している場合
・先入観がある場合

色覚異常の社会認知

以前、社会での色覚異常の認識は「モノクロの世界で生活している」「理系の仕事はできない」「運転免許が取得できない」などの誤解がありました。しかし現在では、色覚異常者は正常者と異なるものの、異常の程度に応じた色の世界を持ち、日常生活を不自由なく送ることができると認知されており、普通免許も取得が可能です。理工系・医療系の大学入試に色覚制限はありませんし、職業制限も大幅に緩和されてきています。ただ電車・航空機の運転士、警察官など一部の職業では、色覚異常による制限があります。色覚異常者が職業選択する際は、希望する職種が色識別を必要とするかを調べることが大切です。

色覚異常は本人の注意と周囲の理解により、支障なく生活が送れます

色の間違いやすさは、色覚異常である本人が自覚し注意することと、周囲の人々の理解によって多くの場合は解決できます。子どもの場合は、おもちゃを買う時に明度差がついて見やすいものを選んだり、学校生活では先生に事情を説明し配慮をしてもらうようにしましょう。例えば、黒板に赤のチョークで書くと非常に見えにくいため、赤を黄色のチョークに変更してもらったり、色覚異常者でも見やすいよう開発されたチョークの使用を願い出ると良いでしょう。